2015-04-09

深夜、Sが悲鳴のような泣き声をあげたので飛び起きる。ライトをつけて隣の布団。苦しそうにもがくS、あわてて抱き上げるとげっぷと共にびゃっとミルクを吐き戻す。
胸焼けでもしてたのかと、ほっと一安心。服やシーツの汚れを拭いたり着替えをさせたり。Sはすっきりした顔でクーとか、アウ、とか喋っていた。

洗濯かごに肌着とカバーオール、タオル、ガーゼハンカチ、トイレに行く、台所の蛍光灯をつける、うがいをする、水を飲む。

いつか住んでいた部屋の窓からは遠くのマンションがよく見えて、真夜中や明け方に目が覚めたときはどこかの部屋に明かりが付いていないか探していた。今どこかで誰か同じように起きていないかとぼんやり眺めていた。その部屋にいたのは私かもしれなくて、今の私があの眠れない私の視線を知っているような気持ちになる。

Sは眠っていて、Kもぐうぐういびきをかいていた。
いくつものいくつもの真夜中の事をきっと誰も覚えていないのだろうけど、私はきっとずっと忘れないだろう。